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犬を飼っている人には是非知ってもらいたいフィラリアの症状と感染経路

2020年04月11日
犬を診る医者

フィラリア症は犬糸状虫症蚊とも呼ばれる感染症で、病原体はミクロフィラリアおよび犬糸状虫(Dirofilariaimmitis)です。体内に侵入したミクロフィラリア(幼虫)は抹消血液の中で犬糸状虫(成虫)になり、血管を経由して心臓や肺に寄生します。

幼虫の感染経路は、蚊の媒介です。蚊が犬糸状虫に感染している動物の血液を吸うと、感染体の中で犬糸状虫が産んだ幼虫も同時に吸引されます。蚊の体内に入った幼虫は発育が始まり、数週間かけて育ちます。そして、その幼虫を持つ蚊が他の動物の血を吸う時に針を刺すと、針を経由して幼虫が吸血対象の体内に侵入します。

幼虫が感染力を持つまでに成長するために必要なのは蚊の体内、感染力を持つまでに成長した幼虫が成虫になるために必要なのは動物の体内ということになります。つまり、犬糸状虫は蚊から動物を経るという経緯があって成虫になることができる生命体なのです。

犬の体内で成虫が心臓や肺動脈に寄生するとフィラリア症を発症し、慢性的な循環障害や呼吸器系症状が現れるようになります。症状としては、散歩や運動時に疲れやすい・疲労から階段を嫌がる・興奮時や早朝の乾いた咳がよく見られます。場合により、肝臓肥大・腹水・浮腫・肺動脈塞栓・喀血が起きることもあります。

寄生する成虫の数が多い場合には、血尿・貧血・呼吸困難などの急性症状が現れます。これらは心臓に繋がる太い血管を多量の犬糸状虫が塞ぐことで引き起こされるため、処置の間も無く急死する可能性が高く、実際にそうなってしまった事例も少なくありません。

フィラリア症は治療よりも予防が重要な感染症ですが、すでに成虫が心臓や肺動脈に寄生している時はヒ素剤を投与して成虫駆除を行います。急を要する状態であったり、多量の犬糸状虫が寄生している場合は、外科手術で寄生部位から成虫を取り出します。

フィラリア症は、予防薬の投与により100%防ぐことができます。そのことから、治療よりも予防が重要だと言われているのです。しかし、予防薬は体内に侵入した幼虫を駆除するものであり、幼虫の侵入そのものを防ぐものではありません。つまり、予防薬と言われるものは、体内の幼虫が成虫になる前に駆除する薬のことです。

侵入を防ぐ薬ではないという点から、蚊の活動期間はもちろん、蚊の活動期間が過ぎてから1ヶ月後までは予防薬を適切に投与しなければなりません。蚊の活動時期後半に刺されて媒介する可能性もあるため、蚊がいなくなってから1ヶ月後までは念のために投与が必要です。