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犬が肺水腫になってしまう原因とその症状を知ることで病気になることを防ぐ方法

2020年05月15日

肺は肺胞と呼ばれる小部屋で成り立つ器官で、酸素を取り込んで二酸化炭素を排出させる役割があります。肺胞周辺には毛細血管が張り巡らされており、肺胞内の空気と毛細血管内の血流との間で酸素と二酸化炭素が交換されます。この働きのお陰で、全身に酸素が行き渡るのです。

肺水腫は、毛細血管から肺胞内に血液の液体成分が過剰に漏れ出て貯留する病気です。起こり方は心原性肺水腫と非心原性肺水腫の2つで、心原性は心臓病を原因とします。非心原性は心原性ではないという意味ですので、心臓病以外を原因とした肺水腫になります。

僧帽弁閉鎖不全症や拡張型心筋症などの心臓病により心臓から全身に流れる血液量が低下すると、心臓内に血液が残ります。心臓内に血液が残っていると肺から心臓に血液が戻りにくくなり、毛細血管が鬱滞を起こします。その結果、行き場のない毛細血管内の液体成分が肺胞内に滲み出ます。これが、心臓病を起因とする肺水腫のメカニズムです。

犬に非心原性肺水腫が起きる原因になるのは、チョークチェーンによる気道閉塞・火事などの煙吸引・電源コードを齧るなどです。これら原因は肺にある毛細血管の病的変化を引き起こす可能性があるため、毛細血管から肺胞内に液体成分が浸出するリスクを高めます。

肺水腫の代表的な症状は、呼吸数増加・開口呼吸・歯茎や舌が白か紫色っぽい・横にならず座るか伏せる状態で苦しそうに呼吸をするなどがあります。軽度の場合は運動時に軽い咳が見られる程度ですが、重度になると速い呼吸・頻繁な咳・泡状の鼻水・舌のチアノーゼ・開口呼吸・血液混じりの吐物などの症状も目立つようになります。

犬も人も液体成分が肺に溜まるほど呼吸がしづらくなり、終いには呼吸困難にもなり得ます。肺の病気として重症化すると命にかかわるため、飼い主が意識的に予防を図ることが大事です。

肺水腫の予防法には、電気コードの配置に気を付ける・蚊取り線香やタバコなどの煙を吸わせないよう注意する・首が締まるタイプの首輪を使わないなどがあります。現時点で心臓病を患っている・心臓が弱い場合は、定期的な検診もしましょう。

肺水腫の治療法は、基本的に入院管理です。安静を保ちながら、酸素室などを利用して高濃度酸素を吸入させます。その後は注射薬や内服薬などを使って、循環血液量を調整したり心臓負担を和らげるよう働きかけます。非心原性の場合は抗炎症の内服薬を使いますが、重度になると心原性と同様の治療になることが多いです。